2011年06月13日
大槌のこれから、とりとめもない感想。

三陸沿岸はどこも同じだと思いますが、ワタシの通う大槌町のインフラ、特に下水道は壊滅してます。
でも乗り越えなきゃいけない課題は、終末処理をどこでどうするかより、下水道局スタッフが残っているのか、というところから。
地震前人口16000人のうち、かなりの人数が亡くなり、3ヶ月たってもまだ不明といわれる人数が1000人。
町長はじめ沢山の行政関係者と町役場ごと行政資料が流されて、これからを考えるにも何も無いんです。
それなのに、亡くなった町長の代行者である副町長の任期がこの6月に切れて、総務課長へ町長権限代理がまわり、しかも夏には町議選とかいっているんですよ、ムリだよ、って避難所で皆がいっていた。
規模だけでなく、その内容も、神戸のときに見た地震の被害の凄まじさとは、全く別物。
生活道路隔てて左右の被害状況が全く異なるという津波の家屋被害は、建築的にも衝撃ですが、同じ被災地、同じ町内で、被災度が全く異なる住民を生み、既に隣の釜石市などかなり対立がでてしまっているよう。
逆に大槌はほとんどぜんぶやられたので、そういう意味では「みんな一緒にがんばろう!」になっていいのかもしれませんが、、、。
例えば大槌の場合、既存家屋の8割が浸水域に含まれるので、そこには住むなと国にいわれ、山の方の田んぼをつぶして大規模な仮設住宅団地(一箇所に1000世帯とか、、)を建設しています。
8割の人がもともと住んでいた地に住めない、しかも立ち退き補償は雀の涙だそうで、そんな微々たるお金では新しい土地購入にもならない、代替地との交換を、という方々がいましたが、山がちな地形で平地が無いから、町が用意できるわけも無く、造成だの何だの国に頼って、でも国はそこまでやれずに、相当時間がかかることでしょう。
そんなこんなを言っているまに、福島に限らず、被災地には住めなくなり、流出できる人はどんどん流出し、身体的にも経済的にも弱い方々が残り、ますます行政機能維持は難しくなる、という悪い方へのスパイラルに陥っていきそうです。
ワタシは岩手滞在中は避難所生活をさせてもらっているのですが、仲良くなった避難所の皆さんはどんどん疲れが色濃くなって来てます。だって、一寸先は闇、まったく見えないし。
一方で、小学校校庭に仮設でたっている町役場には、ここぞとばかりに都市計画をマッサラからやれることに群がるコンサルや、最近多い「新しい公共」関連事業、「緊急雇用」などを利用して被災地支援と銘打てばなんでもありになっちゃっているわけの分からない事業やその主体など、気持ち悪いくらい沢山います。
はたして、今まで住んでいた人数、場所にそのまま住み続けるのはどんなもんなんでしょう。
そういう都市計画の話が方向性を持って、下水道などの地下インフラ配備までいきつくには、いったいどれだけの時間がかかるでしょう。
とりあえず、仮設で何とか期間をつなぐとしても、最初のスキームがまだ何にも描けてないから、それすらも対応できず、この夏は大変なことになるでしょうね。
、、、まあ、ぼちぼちと、自分のできる範囲でできることをやっていこうと思っています。
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